センター長ご挨拶

腫瘍センター長  篠原 信雄

 

 令和4年度より、前任の白𡈽博樹教授の後を受けて、腫瘍センター長を拝命いたしました。これまで副センター長の一人として仕事をしてまいりましたが、北海道大学病院腫瘍センターの規模、機能を考えると、その責任の大きさに身の引き締まる思いです。

 さて、腫瘍センターも北海道大学病院の他の部門と同様、令和2年に始まったコロナ禍に大きな影響を受けてまいりました。がん相談支援センターでの対面相談は十分行えず、キャンサーボードもイントラネットを介した会議システムを導入し実施しています。また研修会や市民公開講座もインターネットを利用する方法を用いて実施せざるを得ない状況でした。ただ、令和4年度を迎え、徐々にコロナ感染に伴う制限も解除されてきており、アフターコロナを見越した対応に尽力したいと思っています。

 振り返ってみますと、北海道大学病院では、20049月に外来治療センターを開設、各診療科の診療ブースにて行われていた外来化学療法を外来治療センターに集約しました。20077月に院内がん登録システムの構築とがん登録が開始され、20081月に腫瘍センターが設置されました。これに伴い、外来治療センターから化学療法部に名称変更、キャンサーボード設立準備、同年3月に化学療法プロトコール委員会設置、同年4月に緩和ケアチーム稼働と、がん診療体制を整備して参りました。併せて、がん相談支援センター、院内がん登録室を整備して参りました。その結果、2009年4月に地域がん診療連携拠点病院の指定(厚生労働大臣)、同年8月に北海道高度がん診療中核病院の認定(北海道知事)を受けております。さらに、20132月に小児がん拠点病院(全国15拠点のひとつ)、2018年4月にがんゲノム医療中核拠点病院(全国12拠点のひとつ)の指定を厚生労働大臣から受けております。2018年には緩和ケアセンターを設置して、そのもとに、緩和ケアチーム、小児緩和ケアチームを運用して、患者さんおよびご家族の皆様の期待にお応えするべく努力しています。キャンサーボードについても充実を図り、2018年にキャンサーボード部を設置、さらに2021年にはがんリハビリテーション支援チームを新たに設置しています。

 このように多くの部会、チームを機能させることで、今後も最善のがん診療が提供できるよう、職員一同力を合わせてまいります。よろしくお願いします。