センター長ご挨拶

腫瘍センター長  木下 一郎

 2024年度より、前任の篠原信雄教授の後任として、腫瘍センター長に就任いたしました。これまで副センター長として腫瘍内科医の立場から活動してまいりましたが、今後は北海道大学病院腫瘍センターを統括する責任を担うことになり、その重責を実感しております。

 北海道大学病院では、2004年9月に外来治療センターを開設し、各診療科で行われていた外来化学療法を集約しました。2007年7月には院内がん登録システムを構築し、2008年1月に腫瘍センターが設立されました。これに伴い、外来治療センターは化学療法部と改称され、キャンサーボードの設立準備や化学療法プロトコール委員会の設置、緩和ケアチームの稼働など、がん診療体制を整備してきました。同時に、がん相談支援センターや院内がん登録室も整備されました。その結果、2009年4月に地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、同年8月には北海道高度がん診療中核病院として認定されました。さらに、2013年2月には小児がん拠点病院、2018年4月にはがんゲノム医療中核拠点病院の指定を受けています。また、がん相談支援センターのもと、定期的に「がんサロン」を開催し、緩和ケアセンターを設置して、患者さんおよびご家族の皆様の期待に応えるべく努力しています。2018年にはキャンサーボード部を設置し、2021年にはがんリハビリテーション支援チームを新設しました。

 現在、北海道大学病院は、特定機能病院、がん診療連携拠点病院、臨床研究中核病院、小児がん拠点病院、がんゲノム医療中核拠点病院として、より一層のがん診療の充実と、最先端医療の研究開発に取り組んでいます。併せて、がん診療専門医による地域医療支援、病院職員を対象とした研修会の実施、市民公開講座を通じた市民啓発なども行っています。

 今後、診療科間・多職種間の連携を強化し、より一層のがん診療の充実に取り組みます。皆様の期待に応え、最善のがん診療を提供するために、職員一同が力を合わせて参りますので、今後ともご支援ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。